目次
はじめに
高齢化が進む日本において、地域包括支援センターは高齢者の生活を支える重要な存在です。この記事では、地域包括支援センターの役割や提供するサービスについて詳しく解説し、どのように活用できるのかを紹介します。
地域包括支援センターとは？
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように支援する公的機関です。概ね中学校の学区ごとに設置されており、介護・福祉・医療・生活支援など、さまざまな分野の相談を無料で受け付けています。
主な対象者は以下の方々です。
- 65歳以上の高齢者とその家族
- 介護が必要になる可能性がある方（要支援・要介護認定を受けていない方も含む）
- 高齢者を支える地域の住民や関係機関
地域包括支援センターの役割・相談できること
地域包括支援センターは、高齢者が自立した生活を維持できるように総合的なサポートを行う役割を担っています。主な機能は次の4つです。
①総合相談・支援
介護や健康、生活の悩みなど、高齢者に関するあらゆる相談に対応します。例えば、
- 「最近、親の物忘れがひどくなったけれど、どう対応すればいい？」
- 「介護サービスを利用したいが、どこに相談すればいい？」
- 「一人暮らしの高齢者が安心して生活できる方法は？」
といった相談に対し、適切な情報提供やサービスの紹介を行います。
②介護予防に関する相談（介護予防ケアマネジメント）
介護が必要になる前に予防することが大切です。地域包括支援センターでは、要支援認定を受けた高齢者の介護予防ケアプランを作成し、適切なサービスが受けられるよう支援します。また、健康維持のための運動指導や食事指導なども行っています。
③権利擁護・虐待防止に関する支援
高齢者が安心して暮らせるよう、権利を守る活動も行っています。具体的には、
- 高齢者虐待の防止と対応
- 悪質な詐欺や消費者被害の相談対応
- 判断能力が低下した方の成年後見制度の利用支援
などを通じて、高齢者の尊厳を守るためのサポートを提供します。
④地域の見守り支援
地域包括支援センターの活用方法
・相談したいときはどうすればいい？
地域包括支援センターは、電話や訪問、窓口での相談を受け付けています。このページの一番下に、青森市ホームページのリンクを張っているのでご参照ください。
・費用はかかるの？
基本的に相談は無料です。介護予防サービスの利用などに関しては、場合によって費用が発生することもありますが、その都度説明があります。
・どんな人が対応してくれるの？
地域包括支援センターには、以下のような専門職が在籍しています。
- 主任ケアマネージャー（介護サービスの相談・調整を担当）
- 社会福祉士（生活や福祉の支援を担当）
- 保健師または看護師（健康管理や介護予防を担当）
それぞれの専門分野を活かして、高齢者や家族を支援しています
地域包括支援センター寿永の体制について
〇対象地域：青森市
金沢２・５丁目、北金沢２丁目、千富町２丁目、浪館、浪館前田、安田、細越、第二問屋町、荒川、上野、金浜、八ツ役芦谷、八ツ役上林、八ツ役矢作、大別内、牛館、野沢、野木、高田、入内、小畑沢、小館、大谷
〇専門職の配置
・主任介護支援専門員…3名（内1名は管理者）
・社会福祉士……………3名
・保健師…………………1名
・介護支援専門員………1名
地域包括支援センター寿永の業務・相談事例紹介
〇社会福祉士Kさんより
様々な相談に対応する総合相談業務や、高齢者の権利を守る権利擁護業務を担当しています。 身寄りもなく認知症症状がみられ、今後のことを一人で決めることが困難な方に関わる機会があり、そのような時は、関係機関と連携して成年後見制度の利用について相談対応しています。
〇保健師Nさんより
介護予防マネジメント業務で、個人と地域の介護予防を行っています。出前講座でフレイルの健康教育や個別健康相談を行い、高齢者が身近な場所で活動できるよう地域に合わせた支援をしています。 地域からの「閉じこもり予防」や「介護予防」の相談に対し、3～6 か月間集中的に支援を行い、地域住民が自主的に活動できるようにサポート、その後も体力測定や新たな取り組みを提案するなど、5年以上継続的に関わっています。
〇主任介護支援専門員Oさんより
包括的・継続的ケアマネジメント支援業務として、地域の介護サ ービス事業所や医療機関、町会等の様々な社会資源と介護支援専門員がスムーズに連携できるよう、研修会を行い介護支援専門員の資質向上と連携・協力体制作りを支援しています。 また、地域の介護支援専門員が抱える高齢者等について相談があった場合、具体的な支援方法を検討し、個別指導や助言を行うことで、介護支援専門員の業務をサポートしています。
〇介護支援専門員Sさんより
総合相談や要支援・事業対象者のケアマネジメント支援を行っています。 過去の事例で、独居の高齢者について県外の家族から相談がありました。腰の手術が必要と医師に言われましたが、ご本人が希望され、他者との交流と運動を目的にデイサービスを利用したところ、半年後には杖なしで近所への外出が可能となりました。その方の必要に応じて、 信頼関係を築きながら自立支援を続けていきます。
まとめ
地域包括支援センターは、高齢者やその家族が安心して暮らせるよう支援する窓口です。介護や健康、生活の悩みがあれば、ひとりで抱え込まずに気軽に相談してみましょう。早めの相談が、よりよい支援につながります。
自分の住んでいる場所は、どの地域包括支援センターが担当しているのか、詳しく知りたい方は下記、青森市ホームページをご覧ください。